そこそこの大手企業で労務と給与を経験した人事マンが、この課題について私なりの考察を加えます。
副業希望は増えている?けど解禁企業はあまり聞かない?
最近テレビのワイドショーをつけると副業で年収が上がりました!という記事や、副業解禁にしました!というXXX会社のニュースなど、副業にまつわる記事やニュースを耳にする機会が増えました。
緊急事態宣言を皮切りにステイホーム時間を副業の調査に時間を当てる人が増えたと言えます。また普段の仕事でも通勤時間がなくなったことにより自由に時間を使える人が多く増えてきたため、その時間を新たな副業の時間に充てたいと考えている人がエントリー者の動向からも読み取れます。
副業解禁にしている会社や、そもそも副業にしていてこれから副業人材を大量に確保するようなヤフーやユニリーバのような企業では、これからも引き続き柔軟な施策を展開していくことになると考えていますが、一方で副業 NG の会社はそのまま副業 NG という傾向はここ1年は変わりません。。
また考えていたとしても今すぐ舵を切るということはなさそうです。今回は副業 NG の会社がなぜそのまま固執するのかについて、私なりの考察を述べたいと思います。
副業NGの会社は何が原因で禁止のままにしているのか?
この疑問について会社側の意見をまとめると主に以下の2点が重要となります。
労災発生時の業務と副業の線引きが曖昧になる。
労災と言うのは労働災害の略称で、企業の業務に関連するところで何か傷病を患ってしまった場合に会社がその医療費を負担するための保険制度です。
つまり、何か会社の事情で本人が怪我をしてしまった場合、副業を行っていた人材については、この線引きが曖昧になってしまうことが非常に問題になっています。
例えば、労災の適用範囲は過労も含まれており、過労死となってしまった場合、それが一体本業での過労なのか、それとも副業での可能なのか、ここが曖昧になってしまいます。いくら会社が自分たちの業務とは直接影響がない所で本人が過労で倒れた!と主張しても、それを判断する労働基準監督署の意向によっては会社の責任を問われる場合があります。
また時間管理の難しさもこれに加わっており、例えば朝9時から夕方18時まで働いた場合、基本的な労働時間はその9時間(うち休憩1時間)で完結する形になりますが、副業を行なっている場合は、さらにそこから追加で作業する時間が発生するため、合計の勤務時間が著しく増えていく計算になります。 このリモート勤務になっている状態では本人が果たして適切に本業での作業を終了して、休息をとっているのか、が一切見えなくなってしまう点も副業解禁の難しさに繋がっていると言えます。
本業の情報漏洩リスクが高まってしまう
基本的な考え方として、副業と言うのは本業で培ったスキルやノウハウをうまく活用することで本業とは別に、副業に役立てることができます。
その一方で、会社として非常にリスクが高いのがこのスキルやノウハウを活用することによる情報の漏洩です。本業用のパソコンと副業用のパソコンは一般的に分けているため、そのまま個人情報や会社の機密情報のデータが外部に流出する可能性は少ないのですが、そもそも本業で培っているノウハウやスキルを活用するということは知的財産なども場合によっては活用してしまう場合があるため、会社としてはその情報や技術が何かしらの形で流出してしまうリスクは否めません。仮にこの情報については規制の罰則をつけていたとしても一度流れてしまった情報というのは会社としたら取り戻せないため、慎重に判断すると言えます。
私もこのブログを書いていますが、決して会社の機密情報や戦略については漏洩してしまわないよう、細心の注意を払って、一般的な情報を踏まえた、私の考察について記事にしています。
副業NGでもバレない?方法について
ここからは会社が副業 NG にしている場合でも理論的にはバレない方法について解説していきます。(これにより発生した現在も本業との仕事のトラブルについては当方では責任を取ることはできかねますのでその点は予めご承知おきください。)
結論:雑所得200,000円以下の範囲で副業する
そもそも会社に副業がバレる大きな理由としては、住民税の特別徴収の影響です。
本来住民税の納付額は昨年の合計所得によって一律で決められますが、副業するとこの合計所得が増えたり減ったりしてしまうことにより、住民税額が通常会社が把握しているものと異なっているため、会社側にバレてしまうと言う状態です。
住民税は会社が本人の代わりに源泉徴収で対応することになるため、会社が把握している徴収額とのズレが生じることで副業しているのでは?と疑われることになり、人事から急に呼び出しがかかります。もし会社の諸規程で副業が完全に禁止されているなら、人事から注意が入ることになり、悪質だと捉えられた場合には懲罰委員会にかけられる可能性があります。そうなるとこれから先の昇格にもネガティブな情報となります。
逆に言えば、所得の額が会社で把握している所得の額と変わらなければ住民税納付額が変わらない=会社では把握できないとなります。つまり、課税対象にならない所得という形で副業報酬を得ることができれば住民税に影響がないため、会社にバレるリスクが大きく減ります。
これが本業とは別の「雑所得」扱いとなり、200,000円までを上限に非課税で申告することができます。(厳密に言うと非課税なのでわざわざ確定申告で申告しなくて良いと言うことになります) ※ただし、これは確定申告が一般的に不要な年末調整で所得が確定しているサラリーマンの限定の方法になります。
2、3年もすれば副業も解禁の嵐になってくると考えているので、まずはこの雑所得200,000円の範囲内で副業始めることで少しずつビジネスの種を増やしていきましょう。
他にも、いろんな会社にばれないためのテクニックはいくつかありますが、まずは簡単な雑所得200,000円についてご紹介します。
まとめ
ニュースで副業という言葉がキーワードになっている通り、副業にエントリーする人も増加したり、会社側も副業人材を募集しているケースが増えてきています。
一方で副業が引き続き難しい企業もあるのは事実で、リスクが解消されない限りはまだまだその解禁の流れはそこまで大きくないと言えます。
他の企業の動向にもよりますが、少しずつ着実に増えてきてはいるので、おそらく2,3年後には副業が一般化されます。
今のうちから副業の種をたくさん仕込んでおくことで、将来の副業解禁の流れが活発になってきた時に、種が芽吹いてきます。今はリスクも非常に少ない年間20万円の雑所得枠で副業を実施することで、今の安定した雇用も続けながらチャレンジをすることができます。
是非色々チャレンジしてみてください!
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